-柏- ガッシャーーンッ…。 「消せ」 兄貴の低い声が、母さんに降りかかる。 母さんの手には携帯が握られていた。 「消して、誤解だって言えよ。なぁ?」 「…嫌よ。だってこの女の子、可哀想じゃない。 彼氏がいたのよ……」 「ンなことはどうでもいい。 早くその誤解するようなメール消して。 言えよ、そいつに。家に来いって」 「嫌よ!」 「…あのさぁ。 いい加減にしないと、また暴れんぞ?」