「……そうだ、大事なヤツだったけど今は会ってねぇ…」
「あぁ」
「俺は何をすりゃぁいいんだ?」
「…その兄貴と話すだけでいい。
俺等はその間、智の彼女と話す。
そこで…俺等の復讐は終わるんだ」
「…直樹」
あたしが不安になって直樹に視線を向けると、大丈夫だと言う代わりに頭を撫でられる。
「彼女を殴るつもりはねぇ。
だけど泣かすつもりはある」
「…オンナを泣かすって、
かなりのヤバイヤツだぜ?」
嵐さんがそう呟くと、直樹は不敵な笑みを浮かべていた。
「…俺には杏以外女なんていらねぇんだよ」
「独占欲強すぎ」
ぽつりと智さんが呟いて、嵐さんが少しだけ笑った。
「確かにな」

