「……おはよ」
ぎゅっと、後ろから直樹が抱きしめてきた。
「おはよ、直樹。起きてたの?」
寝返りを打つように、直樹のほうを向くとやわらかく微笑んでくれた。
「今、起きた…」
眠たそうに、目を擦っている。
「ねぇ直樹?」
「ん…?」
「直樹はあたしのこと、好き?」
「急に何で…?」
(そりゃ、普通そう思うよね…。でも、もし直樹が奪われてしまったら…)
物思いにふけると、そんなあたしを否定するかのように直樹はすぐに笑顔に戻った。
「好きに決まってんだろ」
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