でもこのとき、あたしも小呉も気づいていなかった。 ずっと美沙が話を聞いていたことを。 「へぇ…、 “直樹”って人と“蒼太”ねぇ…? 結構楽しめそうじゃない、あの2人は…。 フッ…。 アハハハッ、ハハッ」 「ねぇ、杏って呼んでもいいかしら?」 「えらい心を許してるじゃんか」 「今までしたことを許して欲しい、なんて言わないわ。 でも…うちも、何でも話せるようなそんな人が欲しいのよ」 「仕方ないなぁ」