そして、学校に行く支度を済ませると直樹のバイクに乗せて貰った。



「何かあったら、電話な」



相変わらず優しい。

いつもならすぐに「うん」って言えるけど、蒼太がいないから少し不安になる。



顔に出ていたのか、直樹が優しく
頭を撫でてくれた。



「大丈夫。何かあったら、呼べ。

いつでも駆けつけるから」



それを聞いて、安心した。
直樹は微笑んで、



「辛くなったら、泣かないで睨めばいい」


それは同意出来なかった。



「杏には、笑顔が似合うよ」


苦笑していると直樹の唇がそっと、頬に触れた。