「…………ありがと」
智がそう言って、俺に笑った。
「俺も、…こんな理不尽な世界を壊して復讐を果たすよ」
「だな」
それから俺等はバイクを手に入れるために中学校を卒業した後、死に物狂いで働いた。
朝から夜まで寝ないで必死に。
バイクが手に入ると、仕事をしてきたからなのか、自然と力はついていた。
俺はその内、理不尽な相手に絡まれても、発作は起きなくなっていた。
でもその発作がまた訪れたのは、智が危ない目に遭ってからだった。
俺が絡まれていたとき、智が庇った。
そして怪我を負った。
俺は何度も謝り、まだ自分の中に弱さがあると知った。
だからまた発作は起きるようになった。

