俺はこのとき、理不尽な奴等にむかつきを覚えた。
だけど今の自分では到底敵わない相手。
そうだとすれば―…。
「智、俺等この高校に通おうぜ」
「え…?」
「力がなきゃつければいいだけだろ?
悔しいなら、こっちが強くなればいいだけの話じゃねぇかよ」
「……直樹」
「そんな泣きそうな顔すんなよ。
俺がぜってぇ、強くなるから」
「…俺も。俺も強くなる……」
「おい、嵐。教えろよ。暴走族の世界を」
「でも直樹。お前は人を殴ると…」
「俺が殴るときは、人を守るときだけだ。
理不尽な相手だけにする。
……こんな世界、俺が壊してやる。
母さんのトラウマがあろうが、俺が倒れようが。
智の復讐は果たしてやるよ」

