「浮気なんて、認めたくねぇよっ……!!」
智が大声で怒るなんて俺は初めて見た。
肩で息をしながら俺を睨んでいる。
「俺は何もしてねぇっつーのに…。
何でだよ!
何でなんだよ…。
俺が………、何したんだよ…なぁ…」
その場に力を失くすように崩れ落ちた。
もう何も言わなくなった智に、俺は相変わらず冷たい態度を取った。
でもそれは、嫌いじゃなくて。
支えたいって意味だった。
「何もしてねぇなら、そうなんだろ…」
「は…?」
「お前は何もしてない。だから、お前は何も悪くない。
何だよ、弱気になりやがって。
浮気だったらなんだよ。
そんなに悔しいなら、復讐くらいはしろよ」

