暴走族に愛された不登校女子。








「浮気なんて、認めたくねぇよっ……!!」



智が大声で怒るなんて俺は初めて見た。

肩で息をしながら俺を睨んでいる。





「俺は何もしてねぇっつーのに…。


何でだよ!

何でなんだよ…。




俺が………、何したんだよ…なぁ…」







その場に力を失くすように崩れ落ちた。


もう何も言わなくなった智に、俺は相変わらず冷たい態度を取った。


でもそれは、嫌いじゃなくて。

支えたいって意味だった。






「何もしてねぇなら、そうなんだろ…」


「は…?」





「お前は何もしてない。だから、お前は何も悪くない。



何だよ、弱気になりやがって。



浮気だったらなんだよ。


そんなに悔しいなら、復讐くらいはしろよ」