俺の言い方は、結構きつい。
でもそれに慣れている智は、静かに涙を流した。
「彼女……の目の前に、男が近づいて…。
手を繋いで行っちゃったんだ…。
勿論その後、メールが来た。
『今日は風邪を引いちゃったから、行けない』って」
「……誰だよ、ソイツ…」
それは明らかな浮気現場だ。
俺は智の隣に座り込むと、智が小さくかすれた声で呟いた。
「俺等の1個上の奴…。
あの不良校に通ってんだ…」
「あの不良校にかよ…。行きにくいな…」
そう、あの不良校とは本当にガラが悪く、一般の奴等は全く近寄ることが出来ないところなのだ。

