「バーカ」
俺が言うと、智は驚いた顔をしていた。
さっきまで真面目な顔をしていたくせに。
「嘘つくの、へったくそ。
お前今まで嘘ついたことねぇだろ。
嘘つくなら、
転校なんて話しねぇもん」
「……直樹が嘘つきすぎなんじゃないの?」
「そうか?」
「そうだよ…」
すると智がその場に座り込んだ。
何かを吐き出すように、声を小さくした。
「俺の彼女が…、見知らぬ男に奪われたんだよ。
俺はそれを認めたくないんだ。
だから皆に嘘をついて、彼女を探したい。
嘘をつく理由は心配をかけさせないためだ」
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