「あぁ! 確かに、ありがと。直樹くんっ」
「おぅ」
智を待たせていたのか、焦るように走っていった。
窓際に行くと、暫くして智とその彼女が見えた。
幸せそうに笑いあって、手を繋いでいる。
俺は恋愛には興味がなく、ただ言われた仕事をこなすだけだった。
告白とかは毎日あるし、うっとうしい。
その内、女子とも関わるのが面倒になり遠ざけていた。
でも智の彼女はよく俺に相談を持ちかけてくる。
その真剣さに心が折れて、いつも仕方なく相談に乗ってやっている。
(あーいうのが……、本当に将来結婚する感じなんだろーな)
毎日見ている光景は、智と彼女が帰るところだ。
智は彼女が出来てから、俺と遊ぶことはなくなった。
お互い家庭環境がよくない中、智は幸せそうだった。
全部あの彼女のおかげだったから、俺も遊びには誘わなかった。

