暴走族に愛された不登校女子。






後ろから声がして、振り返る。




「静くんっ」


あたしが呼んだとき、蒼太が青ざめた表情を浮かべていた。



「……蒼太。久しいね」


「っ…。静、お前元気そうだな」


「そりゃぁ」




2人の空気が、何故か昔と違う。



「蒼太と静くん…、どうかしたの?」


「別に…、ただ。久しいなぁって。な?」




蒼太が誤魔化しているのは分かっている。


でも静くんは笑顔を浮かべたままだった。




「蒼太、僕は許してないから。あの日のことを」



「…知ってる」






あの日?



あたしだけが理解していなくて戸惑っていると、静くんがあたしを見つめた。