それに杏と雰囲気が似ているのは、気のせいだろうか。
「何ですか? じろじろ見て。何も出ませんが」
「…馬鹿か。そんなんじゃねぇよ」
「ですよね」
「柏って悩みとかなさそうだよな」
「ありますよ。大きいのがノシッとね」
「…変なヤツだな。そこだけ正直とか」
「普段は俺、嘘つきませんから」
「っそ」
また仕事に取り掛かろうと、書類に目を通した。
「なぁ、お前って何で生徒会長になんねぇんだよ。
俺よりも最適だろ」
「そういう問題じゃないんですよ、直樹さん」
「ふぅん…」
「らしくないですね」
「何がだよ」

