「智さんって彼女いるの?」




「いないよ。俺はもう嫌だからね。




俺の過去、聞いてくれるなら今日の帰りさ、

カフェ寄らない??


直樹、仕事あると思うし。俺から説明するからさ」





「うん、聞きたいな。智さんのこと知りたいし」





友達、って意味で言ったのに。



智さんの頬が少し赤く染まっていた。





「智さん?」



「な、何でもないからっ! それじゃ行こうか」



「うん?」






智さんが手を引っ張ってくれた。


こういうところは、お兄ちゃんみたいだ。






(…不登校になりかけているあたしにとっては、本当に救われるなぁ…)