「え、じゃあまさか…杏ちゃん?」
「うん…」
あたしが頷くと、智さんはうろたえていた。
「何でこんなイケメンになれんだよ…」
「さぁ…」
ふとあたしは辺りを見渡した。
「嵐さんは…?」
「あぁ。アイツは停学してっから」
「て、停学!?」
「本当は俺等の1個上の先輩なんだけどな、だらしねぇーだろ…」
呆れ顔の直樹と智さん。
あたしも同じような表情を浮かべた。そんな時予鈴が鳴り響いた。
「やべぇ、仕事あるんだった。智、コイツ頼んだ」
「あたし…ものじゃないのに……」
直樹が去っていくのを、呆然と眺めていた。
「杏ちゃん、行こうか」
「うん」

