2人が帰ってしまい、
いつもの空気になる。



直樹は中々目を覚まさない。
これからもし目覚めなかったらと思うと、不安で胸が押し潰されてしまいそうだ。



すると、そっと瞳が開いた。




「直樹っ」



「杏…、無事か……?」



「直樹が守ってくれたから、凄い助かった。




ねぇ…直樹。ごめんね……」









直樹の傍に腰を下ろすと俯いた。



「どこにいても、あたしは迷惑かけちゃうから…」







「…アホが。俺は迷惑なんて思ってないし、謝られるのが一番嫌だ。



杏が笑ってくれたら、それでいーんだよ…」


「直樹…」





ぎこちない笑みを見せると、直樹も微笑んでくれた。




直樹の手のひらがあたしを引き寄せ―。

そっとキスをしていた。