梶山くんはきっと、




私のことを優しい人と思ってる。





でも、実際は違う。






梶山くんが思う人間よりもっと、もっと汚くて






煩わしくてどうしようもない女だ。







誰の耳にも入らないように隠してるけど






私は成績は学年一位だ。







練習はしない。





結果を求める。






だから同学年のやつなんてほとんど見下してるし






本音が言える親友は同級生には一人だけ。






梶山くんにはきっと…言えない。






嫌われたくない




遠くに行かないでほしい







そんな欲望できっと私はぐちゃぐちゃだ。





誰かを守ることだってあれは正義じゃない。




偽善だから。






大切な人以外はどうなっても、



別にどうってことない。





いつも笑顔を振るまっている私は私じゃない。





取り繕って、取り繕って…





たくさん取り繕って出来た一つの結晶が





私を守る。





きっとそれがなくなったら





埃のように小さな存在だ。






誰かに気づかれたら捨てられる運命。





自分自身が分からない。






今日は、逃げた。







静かに、部活中に抜け出した。