「本当に仲良い子かぁ~…
あぁ、2,3人いるよ?」
「梶山くん、そこ音程違う」
「梶山くん、グッジョーブ!!」
先輩の楽器はバスクラリネットと言って
クラリネットの
でかいのだと思っていただければそれでいいです。
「まぁ、でも次があるよ!!」
今にも泣きそうな顔で
言う言葉じゃないですよ、先輩。
何故か俺には良くしてくれている。
「夢叶(ユメカ)先輩こそ」
「ん?」
「好きな人、
いたんじゃないんですか」
「いたけど
もう駄目だよ」
夢叶先輩は好きな人を教えてくれない。
誰にも教えてないそうだ。
俺は夢叶先輩の特別になりたいのに。
「先輩こそ、告ればいいじゃないですか」
「やだよ、関係崩れるじゃん」
「俺だって十分崩れましたよ」
いけしゃあしゃあと答える先輩。
適当すぎる。
「そりゃ、そんなこと言っちゃうんだもん」
「ひどいです!!
俺にだけ当たって砕けさせるんですか?」
「でも梶山くんいつも通りでしょ?」
それは別にきーさん先輩好きじゃないし…
とは言えない。