実衣はそんな俺の気持ちに気づくはずもなく、

店員の男に


「これください!」


なんて、ガキみたいなこと言ってる。


……おい店員、顔赤くしてんじゃねーよ。

そんな小さいことにもイライラする俺は、かなり重症だと思う。


「サンタの帽子2つで、1980円です。」

「はーい!」


金を払おうとする実衣の手を止める。

彼女に金出させるなんて、そんなだせーこと出来るわけねーだろ。