強がりな元姫様



「どう致しまして」


「はぁー、壁が壊れたで! これからよろしゅうな、翼!」


さっきまで名字で呼んでいたのに早いな


「さっきから肩叩きすぎ。 痛くなってきた」


「おぉ、すまんな」


颯一は手を離してくれた


「随分と颯一はうるさく騒ぐな」


「三人の中では僕が先だもんねー」


歩いてきたのか少し遅れて星夜と翡麻里が来た


「塁くぅん、その子とは話をやめてぇ私達と話そうよぉ?」


「颯一くぅん、今度遊びに行かなぁい?」


「翡麻里くぅん、おはよぉ!」


随分媚び打った声で話しかける女子達


「うーん…、君達に名前呼ばれるとか不快だからやめてくれない?」


それを塁が切り捨てる


あまりのバッサリ具合に教室が凍りついた


「俺が下の名前を呼ばせるのは認めた子限定なんだ。 それ以外の奴が呼ぶなんて反吐が出るよ」


笑顔で毒を吐く塁がやけに恐ろしく見えた