そうか、なら安心……
「……なんてできるわけねぇよ」
「あ?」
「翼をどうする気だ! どこに連れてった!!」
男の胸元を掴む
男は平然として俺を見ていた
「そんなの一つしかないだろ」
つまり、倉庫と言いたいらしい
「そんなに必死になるほど彼女を気にかけてんだ。 ――自分達から引き離したくせによく言うよ」
「な!?」
なんでそれを知ってんだ
「……で、仲を取り戻してどうする気なんだ?」
「それは……」
雛菊の姫としてもう一度戻ってきて欲しい
「……その考えじゃまた彼女を傷つけるよ?」
男は溜め息を付き、掴まれている胸元を指差した
「いい加減に離してくれる? それとも、離されて欲しい?」
「……!?」
その言葉にただよらぬ予感を感じ、手を離した
ファンファンファン...
遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた
そして数台のパトカーが倉庫前に止まった