強がりな元姫様



数十分かけて絃鬼の倉庫に到着したが違和感を感じた


人質を取り返しに来るんだったらスタンバイしているから騒がしいハズ


なのに、小さな音も声も聞こえてこえずやけに静かなのだ


丸で何かが起きたかのように……


「……?」


不思議でならなかった俺は入り口に回り込もうと表に出る


そこで何かを待っている集団を見つけた


「……暴走族って言ったらバイクだと思ってた」


その中に翼がいた


羽織っている白の特効服の襟元を握りしめている


「仕方ないだろ。 16になってないし」


毛先が黒みがかった白髪が素っ気なく答えた


「……ここにいる皆、誕生日がまだやねん」


「え、いつなの?」


「俺は来週や」


「11月末だよ」


「「元日(です)」」


「……クリスマス当日」


黒銀、栗色、緋色髪と緑髪、最後に白髪が答えた