「裏切り者の助けを求めようとしてたのを拒否っただけだし」
翔太は開き直るような口振りで髪をいじりながら答える
ダンッ
言葉に頭に来た俺は襟首を掴んで壁に叩きつけた
「がはっ……!」
「早く言えっ! 仲間だからって容赦しねぇぞ」
ゆっくりと壁につけたまま持ち上げた
「……絃鬼だ」
「全国No.6の卑劣ばっかしている族か」
勝つためなら手段を選ばず戦闘時には武器の使用は当たり前
そこに翼がっ!?
「待て…一人で行く気かよ! 無謀だぞ」
背を向けた所でゴホゴホ咳込みながら翔太が止めに入った
「……分かっている。 だが、今回の発端は俺が翼を巻き込んだのが原因なんだよ!!」
「大河!」
声を振り切って幹部室を倉庫を飛び出した
途中で買い物帰りだろうか保と浩輔にあったが立ち止まる事無く絃鬼の倉庫めがけてバイクを走らせる
翼の無事をひたすら祈っていた



