「……本当によかったのか?」
翔太の声が聞こえてきた
なんの話をしてんだろうか聞き耳をたてた
「何心配してんの? まだ、あの子に思い入れがあるわけ?」
……誰だ?
女の声だが、この人をあざ笑うような語り口をする奴は知らない
「後は澄ました振りして総長や幹部が来てもやり過ごせばいいじゃない。 バレなければいいのよ」
ドアノブに触れる手が震えた
ここに来る女は一人しかいない
「あーぁ、翼ちゃん可愛そうに。 今頃はグチャグチャに犯されてるだろうね」
バンッ
「「……!」」
翼の名前が出た瞬間にドアノブにかけた手に力が入った
俺が来た事により、翔太も"まどか"も会話をやめて俺を見ている
「……今の話どう言う事だ」
俺自身も驚くほど低い声が発せられていた
「答えろ、翔太!!」
怒鳴りつけ、翔太を睨み付ける



