「見損なったぞ、大河。 期待していたのに裏切られた気分だ」
急に落ちたトーン
総長の顔で俺を見下ろしている
「総長は周りに流されず、それでも周りの自身の主張も大事にするんだ。
だが、お前は自分自身の考えで動いてない。 結果、彼女をより傷付けた」
「……っ」
頭を上げられない
「……でも、ここにいるって事は自分から動いたんだろ?」
バサッ
タオルを上からかけられる
「間違ってなんぼだろ。 そうやって人は学んでいくんだからな」
庵さんの口調が軽い感じの明るいトーンに戻っていた
「結局、何が正しくて何が間違っているか、人はそれを理解して生きているとは言い難い。
いつまでも流されていたら正しいと思った事が実は間違いなんて可能性もある。
時折、流された方がいい場合…それは稀で、周りに合わせながらも自ら概念を維持するのも大事なんだ」
庵さんはにこやかに笑う



