強がりな元姫様



「戻るぞ。 ここは直に警察がくるからな」


「了解」


「はい!」


「二人は言った事忘れんなよ」


「「はーい……」」


四人に呼びかけてから私の方を向いて手を差し出した


「立てるか?」


「……そんなのいいよ」


手を取る気はなれず、自力で立とうとした


だが立てない


気が抜けたからなのか、身体が震えだした


「高岸?」


「だ…大丈夫」


自分で腕を押さえ、震えを納めようとしたけど止まる様子がない


「大丈夫…だから」


ギュッと目を閉じると


ポンポンッ


頭を数回軽く叩かれる感じがした


目を開けると新崎の手が私の頭に乗っていた


「新…崎?」


「星夜でいい」


そう言って新崎、いや星夜は笑い、私を自身の胸に抱き寄せた


「前に行っただろ? 泣きたくなったら慰めてやるって」


「……!」


星夜の体温を間近で感じてドキドキしている