強がりな元姫様



「それより、どうして俺らだって分かった?」


新崎がハンカチで止血した右手を見ながら言った


「理由なんて無いわ。 四人は髪色が違っても雰囲気が同じだったし……新崎は流れで」


「流れ…ですか?」


緋麻里がどういう事なのかと首を傾げる


「新崎は前髪で顔見えなかったし、最初は"誰?"って思ったわ」


「…………そうか」


「「……ぷっ」」


新崎は明らかに落ち込んだような仕草に富田と飯島が吹き出した


「あははははっ! やっぱりなー、見栄えが違うとそう思うんやなー!」


「そ、颯一…笑っちゃダメだよ……星夜に…失礼だよ…くくっ」


富田は盛大に笑い、飯島は控え目ながらも小刻みに肩を震わしている


「……颯一、翡麻里。 戻ったら覚悟しろよ」


「「!!?」」


新崎の低い声にビクリと震え、笑いが止まった


緋麻里と五十嵐が心底呆れたように二人を見ていた