強がりな元姫様



「ここは、絃鬼-ゲンキ-の倉庫さ。 君には人質になって貰うよ?」


「私に人質の価値なんて無いわ」


一体どこを間違えたの?


「冗談。 雛菊の姫なんだろ? アンタ」


「……は?」


確かに雛菊の姫"だった"よ


「……人違いじゃ無いですか?」


「うそつけ! さっき総長とどこかに行く所を見たぞ!」


……見られてたんだ


「だいたい、こんな目立つ髪を持って俺を欺けると思うか?」


「!」


ニヤニヤしながら私の髪をすくい、鼻を近づけて匂いを嗅ぎ始めた


「ん~…甘い匂いだ。 身体もさぞかし甘いんだろうなぁ~」


ゾワッ


「!?」


男の手が私の太ももに触れ、スカートの中に近づいてくる


「や、やめっ……!」



バンッ


「総長!」


ドアから入ってきた男に目の前の男が舌打ちをして離れた


た、助かった


気付かれないように小さくホッと息を吐いた