強がりな元姫様



バシャッ


私はコップの残りを大河に全部かけた


緩んだ隙に掴みかかった手を振り払う


「……アンタは憶測ばっかで動いてるんでしょう。 だから、なにも考えずただ謝った。

許してもらえると思った? そんな訳ない……」


拭おうとせずに呆然としている大河も見て、だんだんと冷静になっていく


責めるつもりはなかったんだけど


目の前の大河は戦意喪失している


「……アンタ総長でしょ? しっかりしなさいよ。 そんな情けない姿を私に見せないで!」


やるせない気持ちで、ヤケになり財布から千円を出した


「私が払うから。 一生話しかけてこないで」


テーブルに叩きつけて荷物を手にバーを後にした


バーを出て来た道を戻って見慣れた公園に戻った


そういえば今何時?


時間を確認しようとスマホの電源を入れた


「……!?」


緋麻里からの着信がいっぱいきていた