『お前、"雛菊"を知ってるか?』
『花の名前でしょ?』
『……それはそうだ。 だが、違う』
『じゃあ、何?』
『全国No.1、雛菊…暴走族なんだ。 俺はこれでも総長だよ』
『ふーん』
『……それだけか? 他の奴らなら怖がるか媚びるかするのに』
『ソウナンダー、スゴイネー、ヘェー』
『片言になってんぞ』
『ごめん。 でも、暴走族だとしても大河は大河でしょう? 変わる意味がわからないわ』
『……』
「――……この後に、大河に姫にならないか、と勧誘されたんだね」
「断られたんだが、俺が拒否権ナシって連れてったんだ」
「初めは腹立った。 でも、下っ端の優しさに触れて幹部の温かさに触れて、私は居場所ができたという希望が持てた」
「……そうか」
私と大河は笑いあった
「私は初めて希望を持ち……同時に絶望に落とされた」
笑顔を戻し残酷な言葉を吐いた



