「当たり前じゃない! 誰かに見られてこれ以上濡れ衣を着せられるのはごめんよ!!」


「それでもっ!」


大河の大声に身体が跳ね上がる


「今を逃したら…翼とは二度と話はできないかもしれない」


目を伏せて悲しそうな顔でしかも声まで弱々しくなり、私は振り払おうとするのをやめた


「で、用件は何? 私は話す事なんてないわ」


「……場所を変えよう。 奢るから」


「……えぇ」


それからは大河の後ろをついて行く事になった


裏の裏を通り、案内された場所はシックなバー


【close】とドアに掛けられているけど気にする事なく大河はドアを開けた


「お客さん、まだ開けてま……大河か」


「お久しぶりです、庵-アン-さん」


大河が敬語?


その後、会話はいくつか聞こえてきた


「翼、入っていいぞ」


暫く経ってから大河に手招きされ、私はその後に続いた