「やっぱり、冷たくなっている」
そのまま指を絡ませるように繋ぎ、歩きだした
「せ、星夜の手、暖かいね。 ……でも」
「でも?」
「…………何でもない」
恥ずかしがる様に俺から視線をそらした翼
その仕草に愛しさを覚えたのは相当惚れ込んでるからだろうか
惚れたから、両想いになったからこそいえるものだ
「翼、好きだよ」
二文字で少ないけど、時によって大事な言葉だと思う
「! 私も……好き……」
カァッと赤くなった顔にソッと口付けて、そのまま倉庫に向かった
「……?」
久し振りに訪れた倉庫はやけに静かだった
いつもは笑い声とか聞こえるんだが……
「星夜、入ろう」
「あ、あぁ」
いささか不安になりながらも倉庫の扉を開いた
中は暗幕で真っ暗にされている
人はいる気配はするんだ
中心部まで歩いてみた



