ピピピッピピピッ
「――……」
朝を知らせる目覚ましが鳴った
昨日はいろいろあった
……緋麻里を傷つけちゃったなぁ
学校、行きたくないし、家にもいたくないし……どうしよう
カチッ
モヤモヤした気持ちで目覚まし時計を止めてベッドから降りた
制服に着替えてすぐに部屋を出た
廊下ですれ違うメイドや執事
誰一人目を合わせてくれないし、話しかけてもくれない
私は"要らない子"かな?
ここで認めてしまったら私は私でいれる自信がなくなってしまう
何も言わずに家を出た
秋晴れの季節
もう肌寒くなってきた
「……はぁ」
校舎には入らずにどこか人通りが少ない所を探す
午前中だけ学校にいよう
不良なのに皆授業には参加している
だから、サボっている生徒は私以外見当たらない
なんとか場所を見つけた
腰を下ろし、空を見上げ流れる雲をぼんやりと眺めていた