強がりな元姫様



「……わかったわ」


晴羅さんは溜め息をついて襟首から手を離した


「けど、長く眠っていたからおねーさまに対する態度が随分と生意気になったんじゃない?」


「なってねーよ」


ブツブツを文句を言いながら星夜の頭を小突きだす


「つーちゃん、ホントに星夜でよかったの?」


「……私は星夜がいいんです。 星夜じゃなきゃ、ダメなんです」


「……翼」


星夜がサッと顔を赤らめた


その行動に炎舞の四人と晴羅さんの後ろにいる男性が目を見開く


「そっか。 なら、あたしがこれ以上首を突っ込む訳にはいかないわね。 そろそろ、診察だから行こう光」


「……え、晴羅、今の会話ってどういう事?」


「後で教えてあげるから。 えーと、そこの四人ははじめて見る顔ね。 あたしは晴羅、バカ弟の姉よ。 彼があたしの夫の光よ」


「よろしく。 先程は変な所を見せて悪かったね」


「……い、いえ」


氷雨さんが表情を固くしながら答えた