「! 晴羅さん、待っ……!?」
パァンッ
乾いた音が室内に響いた
わかったのは目の前で晴羅さんが星夜をひっぱたいた事だ
赤くなった頬を押さえる素振りを見せずに星夜はジッと晴羅さんを見る
「……何か言いたそうな顔ね、星夜」
「……」
楽しげな空気が一変、殺伐とした空気が流れている
「晴羅!!」
一足遅れて入ってきたのはラフな格好をした黒髪の男性
もう一度、振り上げた手を掴み後ろから抱き締めた
「離してよ、光! 眠ってた分、一分一秒単位でぶっとばさないと気がすまないんだから!」
「それって何発なの!?」
「晴羅さん、お願いです! 落ち着いてくださいっ!」
翼が晴羅さんと星夜の間に入った
「……っ、星夜のバカ! もう少し早く目を覚ましなさいよ! どれだけあたし達に心配駆けさせれば済むのよ!」
怒鳴るように叫んだ後、ガクリと項垂れ、ボロボロと泣き出した



