強がりな元姫様



コンコンッ


ノックをして入ってきたのは炎舞の四人だ


「やぁ、調子はどうだい?」


氷雨さんを先頭に時雨さん、臣さん、慎之介さんと後に続いた


「翡麻里ちゃん。 はい、ケーキを買ってきたから皆で食べてね」


「……ア、アリガトウゴザイマス」


緋麻里の後ろに隠れた翡麻里が恐る恐る受け取った


「……慎之介さん、室内ですからフードとってもいいんじゃないですか?」


「……俺、お留守番でいいのに、シェリーと待ってたいのに」


「はいはい、愚痴は後でたっぷりと聞くから」


慎之介の引きこもりの体質が既に出始めていた


「……よく、出はれたな」


「これでも、苦労したんだよ? 鸞ならすぐに連れ出せるのに」


慎之介さんの被っているフードを引き剥がそうとしながら時雨さんは答えた


「……鸞は雛菊の所か?」


「そう。 同盟の話で詳しい説明をしに行ったんだよ」


時雨さんは、その件について話始めた