〈……〉
「「「「……」」」」
翼は何から言うか悩んでいるのだろうか
ザリッとコンクリートを靴が摩る音が聞こえてくる
……ん? 摩る?
「――翼ちゃん、今どこですか?」
ここにいる全員が気になっていた
〈えと…今、向かっている所よ〉
「……それって倉庫に、ですか?」
〈……えぇ〉
俺達は互いに顔を見合わせてすぐに慌て出す
「一人でか!? あぶないやないか!!」
「翼ちゃん、今ドコ!?」
「迎えにいくから! 場所教えて!!」
〈……大丈夫よ。 倉庫は目の前だから〉
「「「「え」」」」
揃いに揃って間抜けた声が出てきた
〈電話かどうしようか悩んだんだけど、直接皆に伝わった方がいいし…急に来てよかったかな?〉
「当たり前ですよ! あたし達もすぐに降りてきますので!!」
〈……ありがとう〉
そこで電話が切れた



