強がりな元姫様



「……なんでこうなるのかがわからなかった。 でも、教えて貰った。 誰かを想う事は愛だと、好意だと」


それを聞いた時、何か熱いものが身体を巡った


涙が出た


悲しみじゃない、嬉しいでもない


戸惑いから出た涙だった


私なんかが星夜に好意を持ってもよかったんだろうか


それでも大河が背中を押してくれた


『気づいたならすぐに行け。 翼は言う事だけに集中しろ』


その言葉が前に進めてくれた


「――私は、星夜が好きです」


言わなきゃ伝わらない


たとえ眠ったままでも返事が無くても言いたかった


けど、今、目の前にいるのは目を覚ました星夜


本人の口から出た"好き"という言葉が……


ポタッと涙が手の上に落ちた


「温かい手も、誰かを守る強さも、真っ直ぐで優しい眼差しも好きです……!」


いい終えると同時に繋いでいた手が引かれ、身体が前のめりになる


気づいたら星夜に抱き締められていた