「ごめん、なさい」
正直に言うしかなかった
「……そう」
翼ちゃんはバックを抱え、逃げ出すように個室を飛び出した
見えたのは泣くのをこらえようと、唇を噛み締めていた横顔だった
ポタッ
「……っ」
傷つけちゃった
あたしはその場から動けずに涙を流した
バンッ
数秒遅れて入ってきたのは星夜と颯一
「翼、ちゃんは?」
涙を拭って聞いてみるも星夜に首を横に振られた
「感づかれた。 つーか、颯一がヘマを犯した」
「……すまん」
颯一が頭を下げてきたけど塁によって制される
「大体予測してたけど…高岸さん、対人関係に敏感かもね」
「……翼ちゃん」
「信じたくても、裏切られるのが怖いんです。 経験したんですから」
しかも、仲良くなった子が族に入ってたなんて知ったらショックだよね
翼ちゃんを裏切った雛菊と同じ"暴走族"なんてなおさらだ