「つ、ばさ……?」
灰色の瞳が私の方に向けられた
起きたばかりか、何だか言葉がたどたどしい
「…………病院、か。 俺、どれくらい寝てた?」
「あ、一週間半くらい」
「……そっか…俺、そんなに寝てたのか」
ボーッとした様子で呟いた
「……」
どうしよう、言葉が出てこない
何も考えられなくなって兎に角、落ち着きたかった
ナースコールよりも実際に呼びに行った方がいいかもしれない
そう思い、手を離した
「……手、繋いだままでいて?」
「え、でも、医者を呼ばないと」
「今は翼と二人きりでいたい」
ドクンッ
二人きりの言葉に胸が高鳴った
「わかったわ」
頷いてからもう一度、手を軽く掴んだ
微笑んだ星夜を見て、鼓動が速まっていく
「「……」」
お互いに何も話さずに時間は過ぎていく
繋がれた手が距離の近さを感じさせていた



