「星夜には感謝ばかりだわ。 助けて貰ってばかりだもの…私、何も全然返せてない。

眠ったままでいる日から、私は貴方の事ばかり考えてしまう。 それが今日までどういう事がわからなかった」


それが今になってわかった


愛されるのは決して当然ではない


ある日を境に変わってしまうもの


愛されるにはそれ以上に愛す事を教えなければならない


それが出来れば自分は孤独だと感じる事も嘆く事もないと思う


形が違えどそれが愛だというのなら、私は捧げたい


「……私は助けて貰った分、今度は星夜を助けたい」


手に力が入った


「おこがましいけど、言っていいかな?

私はー……」


その先が言えなかった


両手で包むように取った星夜の手が……微かに動いた


見間違いじゃない……


「――っ、う……」


「……!」


閉じていた瞼がゆっくりと開いていく


思考が停止しかけ、私は目を見開いたまま動けなかった