〈気にしないでください! あたし達がしたかったんですから、気にしなくていいんですよ〉
励まされると、何だか泣けてくる
「……ありがとう。 行ってくるね」
〈〈〈〈行ってらっしゃい!!〉〉〉〉
背中を押してくれた皆にもう一度心の中で感謝する
通話を切り、病院内に足を踏み入れた
薄暗くなった廊下を歩く
いつもならすれ違うであろう看護師や医師とは今日は会わなかった
二階の奥にある個室にノックしてから入った
「星夜、遅くなってごめんね」
返事はない
目を閉じて眠ったままでいる
わかっていたけど……
毎日、その日に目を覚ましていればって思うんだ
「……っ」
グッと泣くのをこらえてイスに座った
「今日は言いたい事があってきたのよ。 星夜が目を覚ますまでは待ちたかったけど、できなかった」
星夜の手を取り、私は笑った



