「対象が変わっただけで媚びるような言葉が似てたのよ。 それを聞いたまどかはどう思うかしら?」
翼はまどかと同位置に立とうとしている?
違うだろうが、少なからず突き放そうとはしていないように見えた
「……翼はどうしてまどかを恨まない? 俺達を憎もうとはしない?」
翼からは憎悪の感情が見られない
恨まれる事をしたんだ
許されないのが当然だと言えるのに
「……さぁ、何ででしょうね」
「……せめて、俺だけでも恨めよ。 俺のせいで…心無い言葉を吐いたせいで今も翼を苦しめているんだぞ!」
はぐらかすような答えに、つい感情的になってしまう
「……」
「俺が、もっとしっかりしていれば……」
縁を叩き、頭を俯かせる
「大河」
俺の名を呼んだ翼の声は…優しかった
「私は何を言われても恨んだりしないわ。 大河は私のせいで苦しんでるのね。 ごめんね」
その言葉に涙が出た



