「す、すみません…泣いている場合ではないですよね」
「……いや、なぁ、翼に何があったんだ?」
「……」
手の甲で涙を拭ってから緋麻里は口を開いた
そして事の経緯を話し出す
学校が始まってからもいうも、クラスメートの態度が一変したらしい
本当は媚びて取り入ろうとしていたのを勘づかれ、翼が否定した
それに逆上し翼が傷つく言葉を心なしに言いだした
そこで浩輔が登場し場は収まるが翼が笑い出した
笑って笑って、教室を飛び出して行った
緋麻里の話を簡単に纏めるとこうなった
「なんだよ、それ」
話を聞き、俺は頭を抱えた
こんなの、八つ当たりみたいなものだ
それよりも気になるのは、
怒るきっかけとなったのはクラスメートがまどかの悪口を言い出した所だという事だ
まるで、まどかを庇っているように思える
翼に酷い仕打ちをしたにもかかわらずにだ



