強がりな元姫様



「今更ながらだけど、翔太は妹命って感じだね」


「確かに……あれ?」


「浩輔、どうしたの?」


何かを探し出す動きを見せる浩輔に俺達は注目した


「スマホがない……?」


「え? 浩輔、授業中に机の中に入れてなかった?」


「あ、あー…そうだった。 教室に一旦取りに戻らないと」


「そっかー。 じゃあ、保と作戦会議をしてるよ」


「……聞くけど、何の作戦なの?」


「それは廊下に出てからのお楽しみっ!」


はぐらかす態度を見せながら鸞は浩輔と保と一緒に空き教室を出て行った


「……何故俺だけ待機なんだ」


「大河だけが決まっていない様子だからだよ。 ま、決まっていても一人にするけどね」


独り言のつもりがちゃっかり聞かれてたし


「……」


昔みたいに屋上で語り合う仲ってのも納得できたな


ただ、実はというと俺は翼に好意を寄せていた


それを向こうは気づいていないと思う