「な、ない! ここに誰かがいるとかないからね!」
……それ、いると言っているようなものだよね
誰か…まさか、翼ちゃん?
もしそうだったらここで引き下がるわけにはいかない
「お願い。 ほんの少しでいいからどけてくれない?」
「……ここに入る以外の事なら従うから」
僕から目をそらして保君は答える
何かを隠してるのは分かったから、こうなったら脅すしかない?
これだけは避けたいな
「本当に、ダメ?」
「……ごめん」
シュッ
「!?」
突然、謝ったかと思うと一撃が僕に襲いかかった
それを右に避けて後ろに下がった
「な、何のつも……」
トンッ
言い終わる前に首に衝撃が
しまった…目の前の事だけを気にしてたばかりに……
痛みで視界が暗くなる前に後ろを見た
「――どうしてもダメなんだよね」
ラベンダー色が視界に埋り、僕は目を閉じた
side end.