強がりな元姫様



資料室と空き教室の間には避難時に使われるシャッターが設置されている為、少し幅狭くなっている


僕はその前で足を止めた


「――……そこにいるのは誰?」


微かに人の気配がする


この気配は僕達と同じ類の…人物は大分絞られるんだけど


「ご、ごめん。 僕、です」


申し訳なさそうに姿を表したのは、


「確か、保君だっけ?」


「うん、そう」


答える割にはよそよそしい態度を見せている


「どうしたの? 資料室に何かあったの?」


「んーん、特には」


「……そっか」


空き教室二つ分の広さがある資料室


ドアが一番奥と僕から数十㎝先にあり、僕は出前のドアに向かう


が、保君がいち速く僕の前に立って行く先を遮った


「だ、ダメ、です」


「……何で? 用はないんでしょ?」


「それはそうだけど……」


「もしかして、何かあるの?」


先程からの挙動不審な態度に何か隠していると勘づいた