「つまりな、翡麻里が緋麻里を大事に思っとると同時に緋麻里も翡麻里を大事に思っとる。 絶対に翡麻里を置いてったりせんと言う事や」
「! そんなの……」
途中まで言って僕は口を閉じた
双子だから当たり前だろうけど赤ちゃんの頃から緋麻里とは一緒
昔の緋麻里は泣き虫とは程遠くて、泣き虫だったのは僕の方だった
緋麻里だって泣きたいハズなのに我慢していつも泣いてた僕を緋麻里が手を繋いでくれた
緋麻里だけが僕の励ましだったんだ
それが塁が現れてから変わってしまった
二人が三人になって
泣いてた僕を緋麻里だけじゃなく塁まで励ましてくれて
僕がいなくても楽しそうに話してるのを見て、
"緋麻里が…姉が取られるんじゃないか"って……
それが怖くて怖くて、塁と二人きりになった時に言ってしまった
『お願いだから僕から緋麻里を取らないで!』
幼い僕はその言葉の深い意味を理解できていなかった



