強がりな元姫様



「お、おう!」


「う、うん!」


噛みながらも同時に返事をして塁の後を追いかけた


「ここから二手に別れようか。 颯一と翡麻里に二階を頼んでもいいかな?」


三階から二階に降りて、塁は言う


「おう、任せとき!」


親指を立てて颯一が肯定したのを見て、塁は緋麻里を連れて、階段を降りた


「……」


僕は頷くだけで何も言わなかった


颯一と緋麻里…二人は近くて遠い関係だ


「じゃあ、俺はこっちを探すから翡麻里はー…翡麻里?」


「! なぁに?」


二人が気になって颯一の話を聞き逃しちゃった


「……いや? ホンマ見とると翡麻里はねぇちゃん思いなんやな」


「……いきなりどうしたの?」


突拍子な話題転換に拍子抜けしてしまう


「なんもないで。 ただ、俺が見てきた双子の中では飛び抜けて仲えぇなー、っと思っただけや」


「よく言われるよ」


ここで緋麻里と僕の話をするなんてどうしたのかな?