ゾクッ


塁の表情は仲間の僕であっても感じた事のない寒気を覚える


颯一も浩輔君も顔が真っ青だ


「――キミタチが翼に対して行った仕打ちにどう対処しようか? 言ってはいけないことを大声で連呼してたもんね。 軽いわけないよ」


口元は笑っていても目は笑っていない


氷のように冷たいものを瞳の奥から感じた


「……まぁ、この判断は"帝"に任せようか。 俺達だけじゃ、判断しきれないし……ね?」


人差し指を唇に当てて、首を傾げる


塁を恐ろしい雰囲気に涙目になっているクラスメート


既に泣いているのも含まれている


「緋麻里、翼を探しに行こう? きっと学校内にはいるハズだから」


「……? はい」


この状況を理解していないのは塁の表現を見ていない緋麻里だけ


正直、見ていなくて良かったと思う


「颯一、翡麻里も」


「「!」」


名前を呼ばれて思わず身体が跳ね上がった